2025.10/11

🦷 「新自由主義」と歯科医療 〜“自由”の中にある医療の使命〜

こんにちは、ソアビル歯科医院の鈴木です。

🦷 「新自由主義」と歯科医療 〜“自由”の中にある医療の使命〜

こんにちは、ソアビル歯科医院の鈴木です。

少し難しい言葉ですが、今日は「新自由主義(Neoliberalism)」という考え方が、
実は私たちの歯科医療にも少なからず影響を与えている、というお話をしたいと思います。


🔹 新自由主義ってなに?

「新自由主義」とは、簡単に言うと
市場の力を信じ、国の介入をできるだけ減らそう」という考え方です。
1980年代、アメリカのレーガン大統領やイギリスのサッチャー首相が打ち出した政策に代表され、
日本でもその流れを受けて「規制緩和」「民営化」「自己責任」が強調されるようになりました。


🔹 医療も“市場”になった時代

かつて医療は「公共の福祉」として守られてきました。
しかし新自由主義の流れの中で、医療にも“競争”や“効率”の概念が持ち込まれました。

歯科では、診療報酬の抑制や保険制度の改定により、
保険診療だけでは成り立ちにくい構造が生まれ、
多くの医院が自費診療審美・予防分野へと舵を切るようになりました。

患者さんにとっては、
「治療を選ぶ自由」「医療機関を選ぶ自由」が広がった一方で、
その裏には「健康格差の拡大」という影も見えています。
たとえば、経済的な理由から定期的なメンテナンスを受けられない方が増え、
結果的に将来の治療費が膨らむケースも少なくありません。


🔹 医療は“サービス業”なのか?

新自由主義的な考えでは、医療も“サービス”として扱われがちです。
もちろん、清潔な院内や丁寧な接遇は大切です。
しかし、**医療は「商品を売る仕事」ではなく、「人を支える仕事」**です。

歯科医療の本質は、「治すこと」だけでなく、
患者さんの**生活の質(QOL)**を守ること。
そのためには、時間をかけた診査・説明・予防の支援など、
“効率”では測れない領域が欠かせません。


🔹 これからの歯科医療へ

ソアビル歯科医院では、「誠実さと思いやりをもち、上質な歯科医療を提供する」という理念のもと、
“包括的な医療”を大切にしています。
それは単に虫歯を治すだけでなく、
かみ合わせ・歯周病・全身との関係までを視野に入れ、
患者さん一人ひとりの背景に寄り添う治療です。

新自由主義の時代だからこそ、
**「人を見て、人を支える歯科医療」**が必要だと思います。


🕊️ おわりに

自由な競争の中であっても、医療が守るべき“軸”があります。
それは「患者さんの健康を第一に考えること」。
この原点を見失わないように、
私たちはこれからも学び、実践を続けていきます。


📅 ソアビル歯科医院
「誠実さと思いやりをもち、上質な歯科医療を提供します」