日常のクセが歯を壊す?
― 態癖(たいへき)の種類とお口への影響 ―
こんにちは、ソアビル歯科医院です。
今回は、患者さんからのご相談も多い「態癖(たいへき)」についてお話しします。
「虫歯でもないのに歯が痛い」
「噛み合わせがおかしい気がする」
「詰め物がよく外れる」
…こんなお悩み、もしかしたら「態癖」が原因かもしれません。
◆ 態癖ってなに?
態癖(たいへき)とは、日常の中で無意識に繰り返している身体や口元のクセのことです。
一つひとつは些細な行動でも、長時間・繰り返されると、歯や顎に強い影響を与えることがあります。
態癖の主な種類とその影響
ここでは、代表的な態癖とそれによって起こる可能性のある口腔トラブルをご紹介します。
1. 頬杖(ほおづえ)
よくあるケース:
片側だけ頬杖をついてデスクワーク・スマホ操作
影響:
- 顎のズレ(左右非対称)
- 噛み合わせの不調
- 顎関節症のリスク上昇
2. うつ伏せ・横向き寝
よくあるケース:
枕を片側の顔に強く押し当てて寝る
影響:
- 顎や歯列への持続的な圧力
- 歯並びの変化
- 顎の成長への悪影響(成長期の子どもに特に注意)
3. 片側噛み
よくあるケース:
いつも同じ側の歯で噛むクセ
影響:
- 噛み合わせの左右差
- 使用していない側の咬筋や歯の機能低下
- 顎関節の不調
4. TCH(歯列接触癖)・食いしばり
よくあるケース:
集中時やストレス時に上下の歯を接触させる
影響:
- 歯の摩耗・破折
- 歯周組織への負担
- 顎関節や筋肉の疲労感・痛み
5. 舌のクセ・唇のクセ
よくあるケース:
- 舌で前歯を押す
- 唇をかむ、巻き込む
影響:
- 前歯が出てくる(出っ歯)
- 歯列不正(開咬など)
- 発音の不明瞭化
6. スマホ首・猫背
よくあるケース:
下を向いた姿勢で長時間スマホやPCを操作
影響:
- 下顎が後方へズレる
- 顎関節や首・肩への負担
- 顔貌(見た目)の変化
なぜ、こんなに影響が出るの?
歯は、**“わずかな力でも、長時間かかり続けると移動・変形してしまう”**という特徴があります。
態癖によって、片方の歯にだけ力が加わったり、顎の動きがズレたりすると、噛み合わせや骨の形まで変化することがあります。
態癖を見直すためのヒント
- 鏡で自分の姿勢をチェックしてみましょう
- 就寝時の姿勢や枕の高さも見直してみてください
- 食事の時、左右バランスよく噛むよう意識しましょう
- 歯が当たっている時間に気づいたら、そっと離す練習を
ソアビル歯科医院では
当院では、**態癖を含めた全体のバランスから診る「包括歯科臨床」**を実践しています。
初診時の検査・カウンセリングで、必要に応じて態癖についても評価し、改善に向けたアドバイスを行っています。
まとめ:クセを見直して、お口の未来を守ろう
態癖は、自覚しにくい「無意識のクセ」だからこそ、早めの気づきとケアが大切です。
小さな習慣の積み重ねが、大きなお口の健康トラブルにつながる前に――。
気になる方は、ぜひ一度、当院でご相談くださいね。