2025.5/1

顎関節症の原因は“クセ”かも?

― 態癖(たいへき)と顎関節症の深い関係 ―

こんにちは、ソアビル歯科医院です。
「口を開けるとカクッと音がする」「顎がだるい」「朝起きた時に顎が痛い」――
そんな顎関節の不調でお悩みの方、実はとても多いんです。

そして、その原因の一つに最近注目されているのが、**「態癖(たいへき)」**です。
今回は、「顎関節症」と「態癖」の関係について詳しく解説します。


◆ 顎関節症ってどんな病気?

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に不調が起こる病気で、以下のような症状があります:

  • 顎を動かすと音がする(関節雑音)
  • 顎が痛む(関節痛・筋肉痛)
  • 口が開きづらい(開口障害)
  • 食事中に顎が疲れる・だるい

実は、20~40代の女性に多い傾向があり、軽度も含めると日本人の約7割が一度は経験すると言われています。


◆ 態癖が顎関節症を引き起こす?

「態癖(たいへき)」とは、無意識に行っている口や顎、姿勢の“クセ”のこと。
この態癖が、顎関節症の発症や悪化の大きな原因
になっていると考えられています。


よくある態癖とその影響

態癖の種類顎関節への影響
頬杖顎を一方向に圧迫し、関節や筋肉に左右差を生じる
うつ伏せ寝・横向き寝関節に偏った圧がかかり、変位を起こす
片側噛み筋肉の使い方が偏り、顎のズレが生じやすい
歯の接触癖(TCH)・食いしばり顎の関節と筋肉に持続的な負担をかける
猫背・スマホ姿勢頭部が前に出て顎が後退し、関節の圧迫が起きやすくなる

これらの習慣はすぐに症状を引き起こすわけではありませんが、時間をかけてじわじわと関節や筋肉に影響を及ぼします。


◆ なぜ“クセ”が関節に影響するの?

顎関節は、非常に繊細な構造でできています。
少しのズレや力の偏りでも、「関節円板」と呼ばれるクッション構造が正常な位置からずれたり、筋肉のバランスが崩れたりするのです。

また、**上下の歯が触れている時間が長い(TCH)**と、顎の筋肉が常に緊張状態となり、関節にも負荷がかかり続けます。


◆ どうすればよくなるの?

まずは、自分の態癖に“気づく”ことが大切です。

  • 頬杖をやめる
  • 寝姿勢を仰向けに近づける
  • 歯が当たっている時間を減らす(TCH対策)
  • 姿勢を意識する(頭を前に出さない)

加えて、歯科医院での適切な診断と、必要に応じたスプリント(マウスピース)治療や生活指導が効果的です。


◆ ソアビル歯科医院での取り組み

当院では、初診時の検査で顎の状態、関節の動き、噛み合わせ、そして生活習慣(態癖)までトータルに評価しています。

  • 顎関節や筋肉の触診
  • 開口量・顎の動きのチェック
  • 姿勢や癖の聞き取り
  • 必要に応じて咬合治療・スプリント療法も提案

患者さん一人ひとりの原因にあわせて、無理なく改善できるようにサポートしています。


◆ まとめ:クセを変えることが、顎の健康を守る一歩に

顎関節症は、「噛み合わせの問題」だけではなく、日常の習慣が深く関わる病気です。
日々の小さな“態癖”が積み重なって、思わぬトラブルを引き起こすこともあります。

顎の違和感、痛み、音が気になる方は、お気軽にご相談ください。
ソアビル歯科医院では、包括的な視点からの診療を通じて、よりよいお口の健康をサポートします。