こんにちは、ソアビル歯科医院です。
今回は、「フッ素っていろいろ種類があるの?」という疑問にお答えします。

実はフッ素(正しくはフッ化物)は、虫歯予防にとても効果的な成分。
でも、フッ化物にはいくつかの「使い方」と「種類」があり、年齢や生活スタイルに合わせて選ぶことがとても大切です。
🦷 フッ化物とは?
フッ化物は、歯のエナメル質を強くして、虫歯菌が作る酸に負けない歯をつくるための成分です。
虫歯予防の「三本柱(食生活・プラークコントロール・フッ素)」のひとつとも言われています。
📌 フッ化物の主な種類
① フッ素入り歯みがき粉(市販)
- 毎日のケアに欠かせません!
- 濃度はお子さんなら500〜950ppmF、大人は1450ppmFが主流。
- ポイントは「すすぎすぎない」こと。
→ フッ素が口の中に残って効果UP!

② フッ素洗口(うがい)
- 小学校や家庭で行われることが多い方法。
- うがいできる年齢(だいたい5~6歳~)から使用可能。
- 特に虫歯のリスクが高いお子さんにおすすめです。

③ 歯科医院でのフッ素塗布
- 濃度の高いフッ素を、定期的に歯科医院で塗布します。
- 3〜6か月ごとに行うことで、歯をしっかり守ることができます。
- 小さなお子さんから大人、高齢者まで適応可能。
④ フッ素ジェル・フォーム(ホームケア or 歯科)
- 自宅でのセルフケアに使う方も増えています。
- フッ素濃度の高いものは、歯科医の指導のもと使用しましょう。

👪 年齢別・おすすめのフッ化物使用法
年齢 | 歯みがき粉 | フッ素洗口 | 歯科での塗布 |
---|---|---|---|
~2歳 | 500ppmF(米粒大) | × | 必要に応じて◎ |
3~5歳 | 950ppmF(えんどう豆大) | △(できれば) | ◎ |
6歳~大人 | 1450ppmF(1cm程度) | 〇 | ◎ |
3.年齢別・リスク別に変わる「効果的な使い方」
フッ化物を正しく使えば、より高いむし歯予防効果を得ることができます。以下を参考にしてみてください。
① 幼児・学童期のお子さん
- フッ化物配合歯磨剤(500〜1000ppm程度)を毎日の歯みがきに。
- 2〜3歳までは「米粒大」、4〜5歳で「グリーンピース大」、6歳以上は「大人と同じ1〜2cm」を目安に使いましょう。
- 歯みがき後は「少量の水で1回だけうがい」をすれば十分です。
- フッ化物洗口(0.05%濃度の低濃度フッ化ナトリウム溶液):
- 幼稚園・小学校で実施されているケースもあります。週に2〜3回でも効果的ですが、可能であれば「毎日1回」の習慣にするとより安定してむし歯リスクを低下させられます。
- 歯科医院でのフッ化物塗布:生えたばかりの奥歯(6歳臼歯など)は特にむし歯になりやすいので、年3〜4回の塗布をおすすめしています。
② 大人・成人の方
- 高濃度フッ化物配合歯磨剤(1450ppmなど):
- 大人のむし歯リスクを減らすには、1450ppmの高濃度フッ素歯磨剤を毎日使うのが基本です。歯周病や根面むし歯(歯ぐきが下がって歯の根が露出した部分のむし歯)が気になる方でも有効です。
- 使い方は子どもと同じで「歯みがき後のうがいは少量の水で1回だけ」がポイント。
- 歯科医院でのフッ化物塗布:根面むし歯予防としても効果的で、特に歯周病治療中・メンテナンス中の方は年2〜3回の塗布を推奨しています。
- ホームジェル・ホームトレー(自宅で使用するジェル塗布用トレーを使う方法):
- むし歯リスクの高い方(唾液量が少ない、ドライマウス気味の方、詰め物・被せ物の境目からむし歯になることが多い方など)には、自宅で毎日少量の高濃度フッ化物ジェルを塗布する方法も有効です。歯科医院でトレーとジェルを処方してもらい、毎晩10分ほど装着するだけでむし歯を抑制できます。
🌟 フッ素のメリットは?
- 歯を強くして虫歯になりにくくする
- 初期虫歯を修復(再石灰化)する力をサポート
- 子どもだけでなく、大人の根面う蝕(根元の虫歯)予防にも効果的
⚠ よくあるご質問:フッ素って安全?
はい、正しい使い方をすればとても安全です。
日本小児歯科学会や厚生労働省も、フッ素の予防効果と安全性を認めています。
✨ まとめ
フッ化物(フッ素)は、年齢や生活スタイルに合わせて使い分けることで、
一生虫歯ゼロを目指す強い味方になります。
当院では、お子さまにも大人にも、それぞれに合ったフッ化物の使い方をご提案しています。
フッ素塗布やホームケアのアドバイスもお気軽にどうぞ!
🏥 ソアビル歯科医院では
- フッ素塗布:予約制(お気軽にご相談ください)
- ご家庭でのケア指導も行っております
- 定期検診とフッ素のダブル効果で、虫歯ゼロをサポート!
フッ化物の効果はどれくらい?科学的な根拠
① 歯科疫学研究のデータより
- 日本では、1980年代から全国的にフッ化物(主にむし歯予防のためのフッ素入り歯磨剤)が普及し、以降むし歯の発症率が大きく減少してきました。
- たとえば、昭和50年代(1970年代後半)には12 歳児の平均むし歯本数(DMFT※1)は約4〜5本でしたが、2016年時点では0.4 本を切るほどに改善しています(厚生労働省「学校保健統計調査」より)。
- 海外の大規模なメタ分析でも「フッ化物配合歯磨剤を使うと、むし歯発生率が約30〜50%低下する」という報告があります(※2)。
※1 DMFT(Decayed, Missing, Filled Teeth)とは、虫歯(D)・過去に抜歯や充填を受けた歯(M・F)の合計本数を示す指標です。
※2 “Cochrane Database of Systematic Reviews”などの国際論文を総合した解析結果による。
② フッ化物洗口や塗布の効果
- フッ化物洗口(低濃度フッ化物を用いたうがい)は、特に学齢期のお子さんで1日1回実施すると、むし歯リスクをおおよそ20〜40%程度抑制できるとされています。
- **歯科医院でのフッ化物塗布(バーニッシュなど)**を年に3〜4回受けると、お子さんのむし歯発症率が約25〜45%減少するという臨床報告があります(※3)。
※3 「日本小児歯科学会」「日本歯科医師会」などが発表している予防指針より。
✔ 実践例:当院でのフッ化物活用プログラム
- お子さん向け「フッ化物洗口教室」(0歳〜中学生)の実施
→ 週1回、歯科衛生士が正しい洗口方法を指導し、保護者の方にも安全な使い方をレクチャーします。 - 歯科医院でのフッ化物塗布
→ 年齢やリスク(むし歯になりやすさ)に応じて、年2〜4回の塗布を行います。 - 高濃度フッ化物ジェル&トレー指導
→ むし歯リスクの高い方には、自宅で使うジェルとトレーを処方し、歯科医師・歯科衛生士が装着方法をきめ細かく指導します。
📣 フッ化物を活用して、お口の健康をキープしましょう!
フッ化物(フッ素)は、むし歯を防ぐ「特効薬」ではありませんが、さまざまな手段を組み合わせることで、確実にお口の健康を高める有効なサポートです。
「むし歯ゼロ」のためには、毎日の歯みがきとフッ化物の正しい利用が欠かせません。まずは、ご自宅での歯みがき習慣を見直して、歯科医院で適切なフッ化物ケアを受けてみてください。
ソアビル歯科では、一人ひとりのリスクに合わせたフッ化物活用プログラムをご提案しています。気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね😊