2025.10/23

🌿 「ポスト新自由主義」と歯科医療 〜“競争”から“共生”へ〜

🌿 「ポスト新自由主義」と歯科医療 〜“競争”から“共生”へ〜

こんにちは、ソアビル歯科医院の鈴木です。

前回の記事では、「新自由主義」という考え方が歯科医療に与えた影響についてお話ししました。
今日は、その次に来る新しい潮流——**「ポスト新自由主義」**について考えてみたいと思います。


🔹 「ポスト新自由主義」とは?

「ポスト新自由主義」とは、これまでの

“市場競争がすべてを良くする”
という考え方を見直し、
“人と社会のつながりを重視する”
方向へと転換していこうという動きです。

世界的には、格差・孤立・健康被害といった新自由主義の副作用が顕在化し、
「経済のための人間」ではなく、「人間のための経済・医療」へと舵を切る必要が語られています。


🦷 歯科医療の現場に起きたこと

歯科は長らく「自由診療」の比率が高い分野でした。
そのため新自由主義的な競争の影響を強く受け、
医院間の差別化、価格競争、広告合戦が進みました。

しかし今、多くの歯科医師が気づき始めています。
本当に大切なのは「どれだけ売るか」ではなく、

“患者さんとどれだけ信頼を築けるか”
“人生にどれだけ寄り添えるか”
だということに。


💬 ポスト新自由主義的な歯科とは?

「ポスト新自由主義的歯科」とは、
単に経営モデルを変えることではありません。
“医療を通じて人と社会を再びつなぐ”という姿勢です。

そのためのキーワードは、次の3つです。

① 包括(Comprehensive)

口だけでなく、全身・生活・心理・社会背景までを診る。
検査・診断・治療・予防を通じて“人を丸ごと支える医療”。

② 共創(Co-creation)

医師が一方的に治すのではなく、
患者さん・スタッフ・地域と一緒に「健康文化」を育てる。
→「通う医院」から「共に健康をつくる場」へ。

③ 公正(Fairness)

経済的・社会的背景にかかわらず、
誰もが口腔の健康を維持できる社会をめざす。
→ 医療者の使命は“格差の是正”にもある。


🕊️ ソアビル歯科が大切にしていること

私たちは「誠実さと思いやりをもち、上質な歯科医療を提供する」という理念のもと、
単に“良い治療”を提供するだけでなく、
人が安心して笑顔で通える場をつくることを目指しています。

それは、まさにポスト新自由主義的な発想。
効率や競争ではなく、「人」と「信頼」を中心に据えた医療です。


🌱 おわりに

これからの歯科医療は、
“経済の論理”から“人間の論理”へとシフトしていく時代です。
その中で、私たち医療者に問われているのは、
どれだけの人に寄り添い、支え、共に生きられるか。

歯科医院が「地域の健康文化の拠点」となるように、
私たちはこれからも歩み続けます。


📅 ソアビル歯科医院
「誠実さと思いやりをもち、上質な歯科医療を提供します」