📝【症例紹介】前歯の根管トラブルと歯肉退縮を伴うケースに対して包括的治療を行った例
(ソアビル歯科 足立区竹ノ塚)
前歯は「見た目が気になりやすい場所」であり、一度トラブルが起きると再治療を繰り返しやすい部位でもあります。
今回ご紹介するのは、外傷をきっかけに10年以上前から前歯の治療を繰り返していた患者さんに対し、根管治療・歯周治療・咬合の再構成を含めた包括的治療を行なったケースです。
※掲載にあたって患者さんの許可をいただいております。
■ 1. 来院までの経緯(2006年〜2016年)
● 2006年:外傷により前歯がグラグラに
約10年前、転んだ際に前歯を強くぶつけ、
その後複数回にわたって他院で治療を行ってこられました。
しかし、
- 腫れを繰り返す
- 被せ物が外れる
- 根の先の影(炎症)が消えない
- 前歯が再び動揺
といった問題が続き、
**「またダメになりそうで不安」**という思いを抱えて2016年に当院へ再初診。
レントゲンでは複数の根が黒く抜け殻のようになり、
明らかに感染が慢性化している状態でした。

■ 2. 診断と治療計画
前歯は見た目の要求が高く、力も集中する難しい部位ですが、
可能な限り保存する方針で治療計画を立てました。
治療方針:
- 感染根管の徹底した処置
- 歯周組織の治癒を促す処置(フラップ+ルートプレーニング)
- 金属コア印象(ガッタパーチャポイント併用)による精密印象
- プロビジョナルで歯肉形態と咬合の安定を図る
- 最終補綴で審美性・機能性を確立
- メインテナンスによる長期安定
■ 3. 根管・歯周の治療(2016–2017)
感染根管を丁寧に処置したあと、
歯周組織の治癒を促すためフラップ手術とルートプレーニングを実施。
その後、歯肉の炎症が治まるまでの期間をしっかり設け、
再発させない土台づくりを行いました。
2017年には
ガッタパーチャポイントを利用したメタルコア用シリコン印象を行い、
支台の形状・適合を精密に整えました。

■ 4. プロビジョナル修正と咬合の安定化(2017–2018)
前歯は「見た目」「発音」「噛み合わせ」の3つすべてに影響する重要な部位です。
そのため、
プロビジョナル(仮歯)を用いて数ヶ月にわたり咬合を調整。
右・正面・左のすべての角度からの形態・歯肉ライン・清掃性を確認しながら、
最終形態に近づけていきました。
この段階で、
- 前歯の位置
- 唇の支え
- 咬合平面
- 垂直・水平的なバランス
- 清掃性
これらをすべて整えることが
最終補綴を長期的に安定させる鍵になります。
■ 5. 精密印象〜メタルトライ(2018)
2018年には最終形態に向けた精密印象を行い、
模型上で支台歯の適合を確認。
さらにメタルトライで実際の口腔内で適合・強度・清掃性を確認しました。
レントゲンでも
根尖部の治癒が進んでいることを確認できました。

■ 6. 最終補綴のセット(2018.5)
最終補綴を丁寧にセットし、
審美性・機能性・歯肉との調和をすべて確認。
患者さんは
「やっと安心できる前歯になった」
と大変喜ばれました。
■ 7. 治療後7年経過(2025)
2025年のフォローアップでは、
- 歯肉の炎症なし
- 被せ物の適合も良好
- 噛み合わせも安定
- 骨の状態も良好
包括治療だからこそ得られる長期安定が確認できました。
外傷を起点に10年以上トラブルを抱えていた部位が、
現在では安定し、安心して噛める状態が続いています。
■ このケースからわかること
前歯のトラブルは単に「見た目だけ」の問題ではなく、
根管・歯周・咬合・過去の治療歴が複雑に絡み合っています。
歯が揺れる
腫れを繰り返す
被せ物が外れる
といった症状がある場合、
見た目を整えるだけでは再発しやすく、
根本原因を解決する包括治療が必要です。
ソアビル歯科では、
マイクロスコープ・精密印象・咬合分析を組み合わせ、
長期の安定をめざした治療を行っています。
🔷 追記
歯医者ってどうしても「痛そう」「怖い」「お金かかる?」って思われがちだけど、うちではそんな不安をできるだけなくしたいと思ってます。 マイクロスコープとか3Dスキャンを使って、ちょっとした問題もちゃんと見つけて、痛みもなるべく抑えて治療してます。
🦷 治療の前に、どんな治療をするか・どれくらいの費用かかるか、ちゃんと説明するので安心してください。いきなり「これやりましょう!」なんて進めることはないです。公式サイトには実際の症例も載せてるので、よかったら見てみてくださいね。
🏠 地元の歯医者として、虫歯や歯周病の治療から全顎的なケアまで、しっかり診ていきます。気になることがあったら、気軽に相談してください!

| 治療内容 | 虫歯によって失われた歯の修復や抜歯により欠損した部位に対してインプラント チタンを用いた人工歯根ジルコニアセラミック 被せ物ファイバーポスト クラウンレングスニング 歯茎の手術 |
| 治療期間・回数 | 12ヶ月 24回 |
| 費用*自由診療になります | インプラント 44万円×2本=88万ジルコニアセラミック 16万5000円×17本=280万5000円ファイバーポスト2万2000円×14本=30万8000円クラウンレングスニング5万5000円×2箇所=11万計 410万3000円 |
| 想定されるリスク・副作用 | ・材質によっては、歯ぎしりや噛みしめる力の強い方は、破損させてしまう場合があります。そのような場合は、マウスピースを装着して対応できます。・材質によっては、まだ使用可能になって期間が短いものがあるため、副作用報告がなくともよく検討する必要があります。 ジルコニア・ジルコニア自体が割れてしまうのではなく、表面を覆っているポーセレンというセラミックが割れてしまうことのほうが多くあります。原因のひとつとしては、ポーセレンというセラミックとジルコニアの密着度が、セラミック同士との場合や金属とセラミックとの場合に比べて、若干弱い場合があるからです。他にも、激しい歯ぎしりをする人の場合、どうしてもセラミックの部分はジルコニアよりも強度が落ちるので、割れてしまうケースがあります。 オールセラミック・オールセラミック治療は、本数が多いと費用が高額となる場合が多くあります。また、陶器であり強度は低いため、奥歯には不向きです。前歯でも欠けてしまうこともあるため、歯ぎしりのクセがある方はマウスピースで保護する場合もあります。・保険適用外のつめ物、被せ物もメリットばかりではなく、デメリットもあるため、検討される方は、歯科医師と十分に相談しましょう。 |










