2026.2/1

【第3回】納得できるまで相談。後悔しない治療選びを支える「対話」の形

【本連載にあたって:科学的根拠に基づく診療】 本連載は、歯科医療の専門論文(※)に基づき、当院の診療理念を体系的に解説する全10回の特別企画です。今回は、患者さまと歯科医師がどのように治療方針を決定していくべきか、その理想的なプロセスについて紐解いていきます。▶ 連載インデックス(目次)に戻る


1. 「お任せします」に潜むリスク

「先生にお任せします」 歯科医院でよく耳にする言葉ですが、実はここに、治療後の「こんなはずじゃなかった」という後悔が隠れていることがあります。

東京都足立区保木間のソアビル歯科医院では、医師が一方的に治療を決めることはありません。なぜなら、医学的に「正しい」とされる治療が、必ずしも患者さまの「人生」にとって最善であるとは限らないからです。

専門論文においても、これからの歯科医療には患者さまの個別性や価値観を尊重した**「協働性(パートナーシップ)」**が不可欠であると指摘されています。今回は、私たちが実践している「後悔しない治療選び」の2つの柱をご紹介します。

2. 共に答えを出す「協働的意思決定(SDM)」

かつての医療は、医師が診断し、治療方針を決定して患者さまが同意する「インフォームド・コンセント(説明と同意)」が主流でした。しかし現在、さらに一歩進んだ**「SDM(Shared Decision Making:協働的意思決定)」**という考え方が注目されています。

SDMとは、歯科医師と患者さまが対等なパートナーとして情報を共有し、一緒に治療方針を作り上げていくプロセスです。

  • 歯科医師の役割: プロとして、現在の病状、選択可能な治療法、それぞれのメリット・デメリット(リスク)、そして成功率などの科学的根拠を分かりやすく提示します。
  • 患者さまの役割: ご自身の生活スタイル、予算、治療に対する不安、譲れないこだわりなどを私たちに伝えていただきます。

この両者の情報をすり合わせることで、「医学的な正解」と「生活上の希望」が重なる、あなただけの最適解が見つかるのです。

3. 「価値観に基づく診療(VBP)」とは何か

治療法を選ぶ際、最も重要な基準となるのが**「VBP(Values-Based Practice:価値観に基づく診療)」**という考え方です。

論文では、医学的エビデンス(根拠)に基づく医療(EBM)と、この「価値観に基づく診療(VBP)」は車の両輪のような関係であると説かれています。 例えば、欠損した歯を補う際、「インプラント」と「入れ歯」という選択肢があったとします。

  • 「手術の負担を避けたい」という価値観の方には、入れ歯が適しているかもしれません。
  • 「自分の歯と同じ感覚でしっかり噛みたい」という価値観の方には、インプラントが最適かもしれません。

価値観は人それぞれ異なります。当院では、患者さまの「大切にしていること」を深く理解するために、カウンセリングでの対話を何よりも重視しています。

4. 保険診療と自由診療、どちらを選ぶべき?

歯科治療において多くの方が悩まれるのが、保険診療と自由(自費)診療の選択です。これもVBP(価値観)の視点で考えると、答えが見えやすくなります。

保険診療は、噛むという機能を回復させるための必要最低限の治療を保証するものです。一方で自由診療は、より高い審美性(見た目)、耐久性、生体親和性(体のなじみやすさ)を追求することができます。

私たちは「どちらが高いから良い」という説明はしません。「今後20年、どのようなお口の状態でいたいか」という将来のビジョンをお伺いし、その価値観に最も合致する選択肢をご提案します。納得して選んだ治療であれば、その後のメンテナンス(予防)への意欲も高まり、結果としてお口の健康は長く守られます。

5. 足立区で「一生納得できる治療」を受けるために

論文が指摘するように、多忙な診療現場では、つい効率が優先され「画一的な歯科医療」に陥りがちです。しかし、ソアビル歯科医院はその流れに立ち向かいます。

「先生に聞きにくいな」と思う必要はありません。むしろ、あなたの迷いや希望をぶつけていただくことが、質の高い治療への近道なのです。竹ノ塚駅周辺や保木間地域にお住まいの皆さまが、10年後、20年後に「あの時、この治療を選んで本当に良かった」と思えるよう、私たちは対話の手を緩めません。

どんなに小さな不安も、どうぞ私たちに預けてください。二人三脚で、あなたにとって最高のゴールを目指しましょう。


足立区・竹ノ塚で「自分に合った治療を相談したい」方へ

ソアビル歯科医院では、専門論文の知見に基づき、患者さまと共に歩む「協働的意思決定」を実践しています。セカンドオピニオンを含め、治療方針にお悩みの方はぜひご相談ください。


次回予告:あなたの「不安」を「安心」へ(NBMと共感)

次回は、患者さまの過去の経験や思いを大切にする**「NBM(物語に基づいた医療)」**について解説します。なぜ当院のカウンセリングを受けると心が軽くなるのか、その科学的な理由をお伝えします。▶ 連載インデックス(目次)に戻る

(※)参考文献:日本総合歯科学会雑誌 第10巻 第1号(2018) 「総合歯科医の具有すべきコンピテンシー―これからの歯科医療に求められる共感的・全人的医療の実践―」