2026.2/6

【第5回】なぜ「原因」が見抜けるのか?ソアビル歯科・診断の裏側にある「名探偵の思考」

【第5回】なぜ「原因」が見抜けるのか?ソアビル歯科・診断の裏側にある「名探偵の思考」

【本連載にあたって:科学的根拠に基づく診療】 本連載は、歯科医療の専門論文(※)に基づき、当院の診療方針を体系的に解説する全10回の特別企画です。今回は、歯科医師が頭の中でどのように病気の正体を探り当てているのか、その「診断のコツ(臨床推論)」を、読みやすく噛み砕いてお伝えします。▶ 連載インデックス(目次)に戻る


1. 歯医者は「お口の中の名探偵」?

「ちょっと話しただけで、先生が原因を言い当てた!」 そんな風に驚かれたことはありませんか?

東京都足立区保木間のソアビル歯科医院では、最新のCTやマイクロスコープなど、目に見えないものを見せる設備を揃えています。しかし、それ以上に大切なのが、歯科医師の「頭の中の推理力」です。

専門論文では、これを**『臨床推論(りんしょうすいろん)』**と呼びます。これは、患者さまの言葉や検査結果から、パズルのピースを組み合わせるようにして「痛みの真犯人」を特定するプロセスです。今回は、私たちが診察中にこっそり行っている「頭の中の推理」を公開します。

2. 患者さまの言葉は「最高のヒント」

「昨日から、右の奥歯が噛むと響くように痛いんです」 この一言を聞いた瞬間、私たちの頭の中では推理が始まっています。

論文でも、患者さまの言葉をプロの視点で整理する重要性が説かれています。私たちは、皆さまの何気ない言葉を、頭の中で次のような「重要な手がかり」に変換(翻訳)しています。

  • いつから?(昨日からなら「急なトラブル」)
  • どこが?(右側だけなら「その場所特有の問題」)
  • どんな時に?(噛むと痛いなら「根っこや周りの組織の問題」)

このように情報を整理することで、何十種類もある病気の候補から、可能性の高いものを瞬時に絞り込んでいきます。これを私たちは「翻訳の技術」と呼んでいます。

3. 「いきなり検査」をしない理由

「すぐにレントゲンを撮ってほしい」と思われるかもしれませんが、実はその前の「お話」が最も重要なのです。

論文のデータによると、腕の良い医療者は、最初のお話(医療面接)だけで、すでに病気の正体の大部分に見当をつけているといわれています。

  1. まず予測する: 「この痛み方なら、神経ではなく根っこの先の炎症かな?」と予測を立てます。
  2. ピンポイントで調べる: 予測を確かめるために、必要な検査(レントゲンや叩いた時の響きなど)を行います。

闇雲にすべての検査をするのではなく、狙いを定めて検査を行う。これが「見落としのない、正確な診断」への近道なのです。

4. 「原因不明の違和感」に強い理由

「他の歯医者では『異常なし』と言われたけれど、どうしても違和感がある」 そんな足立区・竹ノ塚周辺にお住まいの方が、当院にはよく相談に来られます。

レントゲン写真に何も写っていない場合、多くの歯科医師は「異常なし」としてしまいがちです。しかし、私たちの「臨床推論(推理)」はそこで止まりません。

  • 「夜中に歯ぎしりをしていないか?」
  • 「お仕事で重い荷物を持ったり、集中して食いしばったりしていないか?」
  • 「最近、生活環境が変わってストレスを感じていないか?」

こうした「生活背景」まで含めて考えるのが、論文でも推奨されている**「全人的な視点」**です。歯そのものに穴が空いていなくても、筋肉の疲れや自律神経の影響で「歯が痛い」と感じることはよくあります。目に見えない原因を、対話と論理的な思考で突き止める。これがソアビル歯科のスタイルです。

5. 納得できるまで「理由」を解説します

診断とは、歯科医師だけが納得すればいいものではありません。論文が説く「プロとしての能力」には、患者さまにわかりやすく説明することも含まれています。

私たちは、推理の結果を「なんとなく」ではなく、根拠を持って説明します。 「これこれこういう理由で、ここが原因だと考えられます」 「ですから、この治療が最も効果的なんです」

理由がはっきりすれば、患者さまの不安はスーッと消えていきます。私たちは、皆さまが納得して、安心して治療に進めるよう、頭の中の推理をすべて公開し、共有することを心がけています。


足立区・竹ノ塚で「原因をはっきりさせたい」方へ

「なぜ痛いのかわからない」という状態が、一番不安ですよね。ソアビル歯科医院では、論文に基づいた論理的な診断プロセスを大切にしています。

小さな違和感、長引く痛み。どんなことでも構いません。私たちの「推理力」を、あなたの健康のために役立てさせてください。


次回予告:納得して選ぶための「二人三脚」

次回は、導き出された原因をもとに、どうやってあなたにぴったりの治療計画を決めていくのか。**「一緒に選ぶ治療(協働的意思決定)」**についてお話しします。▶ 連載インデックス(目次)に戻る

(※)参考文献:日本総合歯科学会雑誌 第10巻 第1号(2018) 「総合歯科医の具有すべきコンピテンシー―これからの歯科医療に求められる共感的・全人的医療の実践―」