【第8回】年齢を重ねても「自分らしく」楽しむために。お口から全身の元気を守るヒント
【本連載にあたって:科学的根拠に基づく診療】 本連載は、歯科医療の専門論文(※)に基づき、当院の診療方針をわかりやすく解説する全10回の特別企画です。今回は、年齢とともに変化する心と体に、歯科医療がどう寄り添えるのか。これからを前向きに生きるための「お口の健康の役割」についてお話しします。▶ 連載インデックス(目次)に戻る
1. 「年だから仕方ない」と諦めていませんか?
「最近、硬いものが食べにくくなった」「お茶を飲むときに、むせることが増えた」 「どうせ年だから、歯が弱くなるのは仕方ないよね……」 そんな風に、お口の衰えを諦めてしまっている方はいませんか?
ソアビル歯科医院では、そうしたお悩みこそ、大切に受け止めたいと考えています。専門論文の中でも、これからの歯科医療はただ歯を修理するだけでなく、**「高齢者の方の生活の質(QOL)を支えること」**が最も重要な使命の一つであると説かれています。
今回は、年齢を重ねても「自分らしく、元気に、美味しく」過ごすために知っておきたい、新しい歯科の役割をご紹介します。
2. お口は、全身の健康の「入り口」です
私たちは、お口を体の一部として、丸ごと捉える視点を大切にしています。論文が教える**「全人的(ぜんじんてき)な医療」**とは、まさにこのことです。
実は、お口の中の健康状態は、全身の健康と深くつながっています。 例えば、しっかり噛めなくなると、柔らかい炭水化物ばかりの食事になり、栄養が偏りやすくなります。また、お口の中の菌が原因で、心臓や肺などの思わぬ病気を引き起こすことも分かっています。
「ただの歯の問題」が、いつの間にか「全身の元気の問題」に変わってしまうことがあるのです。だからこそ、私たちは歯を診るとき、患者さまのお体の状態や、毎日どんなものを食べているか、どんなお薬を飲んでいるかといった「背景」まで含めて考えるようにしています。
3. 心の元気が、お口の健康を守る
意外に思われるかもしれませんが、お口の状態は「心の状態」とも密接に関係しています。
「家族や友人と外食に行くのが楽しみ」という方は、自然とお口のケアにも力が入ります。逆に、何らかの理由で外出が減り、会話が少なくなると、お口を動かす機会が減り、唾液の出も悪くなってしまいます。
論文では、歯科医師は患者さまの**「生活背景や心の動き」**を理解しなければならないと述べられています。私たちは、診療室での会話を通じて、あなたの今の暮らしぶりや、不安に思っていることを伺います。 「昔みたいに、お肉を思い切り食べたいな」 「人前で大きな口を開けて笑いたい」 そんなあなたの「願い」こそが、私たちが治療やケアを提案する上での一番の指標になります。
4. 2025年、そしてその先を一緒に歩む
いま、社会は「超高齢社会」へと進んでいます。論文でも触れられている「2025年問題」とは、多くの人が高齢期を迎え、医療のあり方が問われる時期のことです。
これからの歯科医院は、単に治療をする場所ではなく、**「あなたが最期まで自分らしく生きるための伴走者」**であるべきだと私たちは考えています。
- 体力が落ちて、通院が大変になってきたとき。
- 持病が増えて、これまでの治療法が難しくなったとき。
- 「もう何を食べても味がしない」と元気をなくしてしまったとき。
そんな変化の時こそ、私たちの出番です。あなたの体の変化に合わせた無理のないケア、お口の筋力を保つトレーニング、そして何より、あなたの心に寄り添う対話。それらを通じて、あなたの「これから」を応援します。
5. 笑顔でいられることが、一番の「お薬」
お口の中がスッキリして、何でも美味しく食べられるようになると、人は自然と笑顔になります。そして、その笑顔が周りの人を明るくし、ご自身の生きる力(免疫力)を高めてくれます。
論文が説く「共感的医療」の本質は、患者さまを「病気」として診るのではなく、喜びや悩みを持つ「一人のかけがえのない人間」として診ることにあります。
ソアビル歯科医院は、あなたが年齢を重ねるごとに、もっと自分の口元に自信を持ち、もっと毎日を楽しめるよう、全力でサポートいたします。どんなに小さな体の変化や不安も、どうぞ私たちに預けてください。
「最近、お口のことが気になる」というご家族の方へ
ご本人様だけでなく、ご家族のお口の状態(食べこぼし、むせ、口臭など)が気になる方も、お気軽にご相談ください。専門論文の知見に基づき、ご本人様の心と体の状態を優先した、優しく丁寧なアドバイスをさせていただきます。
次回予告:学び続けることが、安心につながる
次回は、私たちが日々どんな研鑽を積んでいるのかについて。常に最高の医療を提供するために欠かせない**「学び続ける姿勢(プロフェッショナリズム)」**の裏側をお伝えします。▶ 連載インデックス(目次)に戻る
(※)参考文献:日本総合歯科学会雑誌 第10巻 第1号(2018) 「総合歯科医の具有すべきコンピテンシー―これからの歯科医療に求められる共感的・全人的医療の実践―」








