2022.11/29

人生100年時代に歯科はどのように関わるか

「健康な歯の維持」は人生を健やかに過ごすための重要なポイント

人生100年時代。長い人生を最後まで楽しむためには、

お口の健康の維持がとても重要なファクターであることがわかってきました。


「自分の好きなものを食べる」

「家族や友達と会話を楽しむ」――。

歯と口の健康は、

全身の症状・疾患や要支援・要介護度などにかかわり、

健康長寿を実現するうえで欠かせない生活の質を大きく上げるものです。

年代別の歯・口の健康に関する問題や国の対策、歯・口の健康と生活の質との関連性、口腔ケアの重要性、歯を守るための予防方法などを紹介します。

お口の健康のために大切なのは、日々の生活の中で「歯周病を予防すること」と、

噛む力や唾液の分泌力といったお口の機能を一生涯保って「オーラルフレイルを予防すること」です。


歯周病は歯を失う大きな原因になるだけでなく、

全身の様々な病気の発症にも関わっています。

また、オーラルフレイル(フレイルとは虚弱状態)を防げば、

体のフレイルも予防できる可能性があります。


若いうちから自分の歯を自分で守ることが、人生の後半戦をいきいきと楽しむために欠かせません。

むし歯

歯に歯垢(プラーク)がたまると、細菌が増殖します。細菌は砂糖などの甘味料を分解して酸をつくり、この酸によって歯の表面からカルシウムが溶け出す状態が続くと「むし歯」が発生します。

歯周病

歯垢中の歯周病菌が増殖すると、歯ぐきに炎症が発生し、腫れて出血するものです。炎症が歯ぐきに限定された「歯肉炎」と、炎症が進んで歯を支える骨が溶けてしまう「歯周炎」の2つがあります。

オーラルフレイル

高齢になると、噛めない、飲み込めない、むせる、滑舌が悪くなる、口腔乾燥などの口腔機能の低下症状が多く見られ、こうした状態を「オーラルフレイル」と言います。歯科領域では舌体操や唾液腺マッサージなどの指導をしています。

口腔機能発達不全症

年齢に合わせた、「食べる」「話す」といった口の機能の習得がうまくできていない子どもが一定数あ能発達不全症」と言います。1歳6カ月、3歳健診時に相談をしてみてください。

セルフケアとプロフェッショナルケア

歯と口の健康を維持・向上させるには、歯磨きなど自分で行う「セルフケア」と、治療や健診など歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」の両輪で取り組むことが大切です。そうすることで予防効果が高まります。

歯科健診

乳幼児期や学齢期、成人期、高齢期などさまざまな世代を対象に、市町村などが「歯科健診」を実施しています。定期的な健診で疾患の早期発見・治療につなげることができます。

予防歯科

むし歯などになってから治療するのではなく、ならないための予防を大切にするということです。近年、予防歯科を重視する歯科医院が多くなってきています。

かかりつけ歯科医

ライフステージに応じた継続的な口腔の健康管理や、重症化予防のための診療を行う存在です。歯科健診や、地域の関係機関・他職種と連携して在宅での診療も実施しています。